1.言葉から見る障害者

障害者という言葉を知らないという人は、あまりいないのではないでしょうか。

しかし、障害者という言葉が生まれた経緯を知っている人は、そんなに多くないでしょう。
障害者と呼ばれるようになったのは、戦後になって、障害者を守り、支援する為の法律を制定するに当たって作られた言葉です。戦前では、障害者を不具者、不具廃疾者などと表記し、一般的には、片輪者と呼んでいました。しかし、この表現は差別に当たるとして、印象がよくありません。障害者を守る為に法律を作るに当たって、こうした差別的な表現を使えないことから、体に不自由な部分があるという意味の障害という言葉が用いられ、1939年の身体障害者福祉法の制定を機に、一般的に障害者という表記を使うようになりました。当時、障害の害という字には、碍などの字を当てていたのですが、当用漢字の使用制限によって使用することができなくなり、同じ読みのできる害という字を当てたとされています。


しかし、この障害という字には、異を唱える動きもあります。害という字の意味には、妨げるという意味があり、差し障りがあり妨げる者という意味になることから、障害者という言葉は差別であるという声も出て来ています。更には、障害者と健常者との間に生じている温度差が偏見を生むというイメージによって、障害者という表記そのものが、プライバシーの問題に発展する原因ともなっています。
障害者は、体に不自由な部分を抱えていますが、誰かの妨げになる者ではないという見解から、近年では、障害者という表記ではなく、障がい者という表記に移行している傾向にあります。しかしながら、体に妨げとなるものを抱えているという意味から、障害者を使う傾向は、まだ残っているようです。

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