3.それぞれの人生を尊重しよう
障害者を守っていく家族にも、必ず限界というものが来ます。
それは、親であれば時間であり、兄弟であれば感情の部分に生じるでしょう。これは、それぞれに人間として生きる時間と、人間としての感情があるから生じることなのです。
近年、少子高齢化が叫ばれるようになりました。現代社会には、高齢者が増え、それを支える子どもが減って来ていることで、高齢者支援を考えなければならない時代になっています。これは、障害者を守る家族にも言えることです。障害児が障害者と呼ばれる年齢になるということは、その親も、年を重ねていることになります。やがて高齢になり、老人ホームや介護支援などを受けるようになる年になっても、障害者を守る為に、その親は、老人ホームや介護支援を受けることができません。それどころか、倒れてはいけないと体に無理をかけ、自分に備わっている体力以上のことをするようになるでしょう。しかし、永遠はありません。いつか必ず、別れる日が来ます。
障害者を一人残し、旅立たなければならない日が来るのです。その時、自立できていなかったらどうでしょうか。残される障害者は不安でたまらないでしょう。訓練されていない心は、すぐに折れてしまうかもしれません。親が子を守ることは、大切なことです。しかし、子どもが一人で飛び立てるようにすることも、親の務めだと思います。いつか別れる日が来ることを人間は分かっているのですから、その時の為に、障害者自身の人生を尊重し、自立を支援する生活を送ることは、必要なことなのです。
兄弟においても、同じことが言えます。いくら兄弟とはいっても、それぞれに人生があります。例え、守らなければならないという強い気持ちがあっても、自分の人生を送りたいという欲求は生まれます。そういう感情は誰にもあります。そういう感情を隠したまま守ることを続けても、障害者にも罪悪感が生まれるでしょう。自分のせいでと、自分を責める人もいるでしょう。それでは、お互いに良い気分がしません。兄弟であるからこそ、お互いを尊重し合える、そして、本当に助け合わなければならない時に助けられる関係を築くことが、その後の障害者を守ることにも繋がるのではないでしょうか。
人間だからこそ、お互いを尊重することが、障害者も、健常者も、必要なのです。
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